寺子屋 大仙寺の日々是好日

三重県伊賀にあるお寺。大仙寺の寺子屋ブログです。探究型の寺子屋です。HP → https://www.iga-daisenji.org/

全ての子どもが豊かに学べる寺子屋をいつかやりたい

大仙寺の若僧侶のマヒトです。

 

子どもと共に過ごすこと、共に学ぶこと、彼らの成長に触れること。ボクが大好きなことです。小学校の教員として11年間働いてきました。小学校に就職する前は青年海外協力隊に参加して2年間小学校の教員をフィリピンでしていました。

 

そのことを自慢したくて書いたわけではなく、振り返るとずっと教育畑で生きてきたわけです。時間も情熱も費やしてきたと思います。

 

教員時代は、うまくいくこともあれば、うまくいかないことだってありました。でも、振り返ると充実していたなって思います。それは、自分の魂を燃やしてやってこれたからです。仲間にも恵まれましたし、子どもたちや保護者の方にも育てられました。

 

教員を3月末で退職し、三重県に戻ってきました。三重県の採用試験を事前に受けて教員をしながらお寺のことをしていく選択肢もありました。

 

でも、ボクはそれを選びませんでした。それは横浜で教員をしているときは、生活の全てが仕事だったからです。これは多忙だからというより、自分自身がそうしたかったのです。

 

「どうすればもっと子どもが自由に学べるのか。」

「夢中になって学べるような環境を作りたい。」

「教職員をチームとして機能するのを後押ししたい。」

 

ほっておいてもどんどんやりたいことが湧いてきたのです。休日も本を読んだり研修に行ったりしていました。やらされているのではなく、自分の探究心が止まらなかったのです。

 

妻にも迷惑をかけたと思います。支えてくれてありがとう。

 

仏教を学びたいと、仏教の生き方を実践したいという気持ちが湧いた時、今の教員生活とは両立できないと思いました。それはどちらにも100%の情熱をかけると時間が足りなくなるし、中途半端になるのではないかと思ったからです。

 

実際、今は寺で修行をしているので、じっくり仏教に触れられています。しかし、同時にやっぱり教育に貢献したい、子ども達と過ごしたいという思いも強くもっていることにも気付きました。

 

仏教には自利利他(じりりた)という言葉があります。これは自分だけで学びを完結してはいけない、それを共有し他者へ貢献していくという意味です。

 

自利利他を生きる、実践していくこと。ボクにとっては、仏教の教えを生きることであり、そして、情熱をかけてきた教育をこのお寺で展開していくことだと思うのです。

 

学校現場ではないですが、自分の経験、情熱をかけて「全ての子ども達が豊かに学べる」そんな寺子屋をやりたいと思っています。

 

お寺でやるのですから、全ての子ども達が参加でき、豊かな学びや体験ができるようなものがやりたいのです。

 

全ての子どもが対象ですから家庭環境の違いで来れないようなものではなく、誰もが来れるような場所です。

 

こんなことをいうと、それじゃ経営できないよって言われるかもしれません。

 

でも、それがやりたい。お金じゃない。それがお寺で寺子屋をやる意味だし、ボクの仏道だと思う。

 

学校現場は、先生たちに任せた。今はボクは現場にはいないけど、一人一人の先生はほんと頑張ってるから全力で応援したい。

 

ボクは、学校以外の子どもの学びの場に情熱を注ぎたい。それは学校と対立するものではなく、社会みんなで子どもを育てるということ。

 

そんなことを考えています。一人じゃきっとできない。応援していただけるような生き方をしっかりしていきたいと思う。

 

「あなただからお願いしたい。」

 

そんな僧侶であり、教育者でありたいと思う。慌てずじっくりやっていこう。