子どもの得意を生かすと、苦手なことも夢中になれる
学校現場は仲間の先生に任せて、ボクは、学校以外の場所で子どもの学びの場を作りたい。
そう思っています。でも、学びってなんでしょうか?
かけ算ができること、漢字が書けること。それも学びの一部でしょう。でも、それだけではありません。現在では、子どもの学力を8つに分けて考えるマルティプルインテリジェンスの考えが主流になっています。これは、ハワード・ガードナーという学者が提唱し、一気に世界中に広がった考えです。こんな風に整理されています。
読み、書き、そろばんと言われた時代とは変わってきています。その子にはどんな強みがあるのかを、本人が自覚することが大切です。
これはできないことは、そのままでいいということではありません。例えば、書くことが苦手だけど、野菜を育てるのが大好きな子がいるとします。この子に、漢字ドリルを与えひたすらやらせてもあまり効果はありません。
では、どうするのか?
「野菜の育て方の説明書を作ろう」といったプロジェクトにしてあげることが重要です。この子は野菜を育てるのが好きです。そのことを、他の人に伝えるという目的をもてば、書きたいという思いが湧いてきます。
でも、書き始めると、漢字が書けなかったり、分かりにくかったり、壁にぶつかります。そこで、支援する大人の関わりが大切です。何が書けないか、分からないかを明確にしながら、教えるべきことは教えて、サポートします。
この時に全て教えてはいけません。この子がちょっと頑張ったらできるところに目標を設定してあげるのです。そうやって出来た説明書は、大人からするとツッコミどころがあるでしょう。でも、やりきったことを認め、この子の書いたものを一つの作品として丁寧に扱います。子どもを子ども扱いしない。そうしないと、プロジェクトがごっこ遊びになってしまいます。
そのように関わると、少し自信がつくのです。そうやって、その子の得意なことと苦手なことを組み合わせながら、両方の能力をあげていくことが重要でしょう。
こういったプロジェクトの学習をプロジェクト学習といいます。ボク自身、教員時代、大切にしていた学び方です。今ではPBL(プロジェクトベースドラーニング)と呼ばれていたりもします。歳の離れた友人である、千葉大学の首藤久義さんから多くを学びました。
例えば、書くことに関するプロジェクトはこんなことをやってきました。
作家の時間 →作家になりきって本を制作する学習
音楽雑誌 →自分の好きな音楽を雑誌のように解説する
レシピ本 →家庭科で作ったレシピ集
寺子屋でも、子どもが書きたいと思う気持ちをスタートにした、書くプロジェクトもやっていきたいと思います!
そしてまた人生は続く。
あなたの中にあるお寺
浄土真宗 高田派 大仙寺
伊賀市上野三之西町3241