子ども達の学びを豊かにし、考える力をつけるには「読む」こと「書く」ことが大切だなーって思います。それって結構昔から言われていることかもしれません。だからといって、これを読みなさい、これを書きなさいって言われ続けては、好きになることは難しいものです。
なぜなら、育つのは子ども自身だからです。自ら学ぶようになっていくことが大事です。「読む」こと「書く」ことが徹底的に好きになっていく学び方があります。
リーディング・ワークショップ-「読む」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ《ワークショップで学ぶ》)
- 作者:ルーシー・カルキンズ
- 発売日: 2010/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ライティング・ワークショップ―「書く」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)
- 作者:ラルフ・フレッチャー,ジョアン・ポータルピ
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
「リーディングワークショップ」「ライティングワークショップ」とよばれる学習方法です。日本では、大正時代から続く「綴り方教育」が近いです。ボクは、この学び方に出会って目から鱗でした。国語の授業が劇的に変わり、子ども達が「書く」「読む」をどんどん好きになっていく姿にびっくりしました。
今回は、この「リーディングワークショップ」の読むことについて、実践をもとに考えたいと思います。以下、2年前の5年生での教室のことです。
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さてさて、読書家の時間っていう本が好きになって、面白い読み方ができる学習を始めました。
今日は事前に伝えてあったように家や図書室からオススメ本をもってきて紹介し合いました。
先生、何冊ももってきていいですか?
先生、いっぱいありすぎて選べません。とか話す子もいれば、
あんま読まないから、特にない。
漫画しか読まないよ、なんて子だっています。
それがいいんです。だから、一緒に学ぶ意味があります。
今日は、ペアをどんどん変えながら、1分ずつ紹介し合いました。
たどたどしくても、なんとか伝えようとしています。相手も聞こうとしています。
僕はこの本紹介の子どものやりとりがすごくいいなって思いました。
その1シーン
たくさんもってきたから一冊選んでもらっていい?
これにするよ。
これね。紹介するね。
その本紹介を真剣に聴いてる相手の男の子の姿。ステキやなぁって思います。
自分が好きなものを相手に受け止めてもらえる経験ってすごい嬉しいから。
本を紹介したあとは、みんなで好きに読む時間にしました。
僕も子どもに借りたのを読みました。
子どもたちを観察していると、ペアで読む子もいれば、一人の子もいれば、本の世界に入れない子もいます。
本っていうものがクラスにやってきた、それでまぁ最初は良しです。
今日は子どもたちと図書室の本を教室に持ち込んで、図書コーナーを作ろうと思います。
読書の授業ですが、本を読んでいる時の悩みや良かったことを読書会議っていう形で毎回授業の最初にやっていきます。クラス会議と同じです。
学校は、友達の喜びとか悩みとかを真剣に受け止めて、答えていく場所だと思うからです。
一時間の流れはこんな感じです。
1 読書会議 10分ぐらい
2 読みタイム 30分
3 振り返り 5分
明日はどんな読書会議になるのかなぁ。何をみんなで話したいのか、そこからかなぁ。
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これはリーディングワークショップの1時間目の授業です。まずは本に触れることからスタートします。どうやって本を選ぶのかなど、みんなで話し合いながら自分に合った本を選び読んでいくのです。
えっそれだけ!!
そうなんです。それが基本です。でも、ここにはいくつもの本を読むことに取り組むためのしかけがあります。最も基本的な工夫は、子どもが好きなことや興味があることを、大人が把握していくことが大事です。そして、たくさんの児童書を読んでおくことは必須です。
こういう本もあるよって紹介するには基礎知識は不可欠だからです。子どもは自分で選んで読んでいる実感をもちつつ、サポートする大人は一歩先を行くイメージです。
その子の読書レベルに最初は合わせることも大切です。子どもがパラパラめくって読めそうと思うものを手に取るといいですね。