寺子屋 大仙寺の日々是好日

三重県伊賀にあるお寺。大仙寺の寺子屋ブログです。探究型の寺子屋です。HP → https://www.iga-daisenji.org/

読む力を伸ばすということ

今月の寺子屋のプロジェクトは、「読む」ことに関心を寄せていきます。そこで、読むことについて理論的に学び直しました。寺子屋サポーターでもある首藤久義さんの「ことばがひろがる」の理論部分を読みアイデアが湧いてきました。読む力とはいったいどういうものなのでしょうか?首藤さんを手がかりに、この記事では考えていきたいと思います。

 

読むことは、大きく分けて二つに分かれます。

 

一つ目は、情報を得ること。二つ目は、楽しむことです。このことを、首藤さんは次のように書いています。

 

「読むことは仕事や遊びや学習の生活に必要な情報を得るために役立ったり、心を楽しませること。」

 

ボク自身のことを話すと、小さい頃たくさん本を読んだわけではないですが、高校生ぐらいから、かなりの読書量を積むようになりました。楽しむのが目的の場合もあれば、新しい知識を得るために読むこともあります。楽しみながら情報を得ることだってあります。読むことが、自分の成長につながり、生活を豊かにしてくれた実感があります。それはなぜでしょうか?

 

それはズバリ、読むことは、その人の知識や経験など全てを総動員する必要があるからです。自分の力を全て使って読むから、自分の成長につながるのです。

 

読むと、まず文字を手がかりに脳の中に内容を再現します、そして内容を理解しようとします。内容を理解する時、今までの自分の生活経験と結びつけたり、いろんな考えが自動的に湧いてきます。考える力が自然とつくのです。それが、多読することが書くことも上手にするし、考える力をつけるといわれる所以です。

 

でも、読むことを強制的にされてもなかなか効果は上がりません。例えば、料理の本を読むのは、美味しいご飯を作りたいという目的があるから読むわけです。目的がないところに学びは成立しません。これはキルパトリックという教育学者が繰り返し言っていることです。このキルパトリックさんはボクのお気に入りです。

 

寺子屋でも目的をもった読む学びを展開していきたいと思います。これまでの小学校教員時代も、この読む授業には強いこだわりをもっていました。

bozusen.hatenadiary.jp

子ども一人一人が違うように、子どもの読む経験や力は異なります。その子に即した読みの経験が必要なのです。つい、ボクたちは推薦図書のように、みんなに一律に何かを読ませようとしてしまいますが、それだけでは読む力は伸びません。

 

まずは、本に慣れ親しむことです。最初は読めなかった本が2回目はスラスラ読めるといったように、成長を実感できるようにしていくことが大切です。どの本を手に取るかは、その子自身が決めることですが、自由にさせると、その子には難しすぎるものを選ぶかもしれません。そこには介入が必要です。そうやって選書の力をつけていくといいなって思います。

 

寺子屋の一月のプロジェクト「読む」でも、目的のある学びを計画していきます。目的は共有しつつ、同時に一人一人に即した多様な学びがあること。そのことを大事にしていきます。

ことばがひろがる Ⅰ

ことばがひろがる Ⅰ