学区の小学校が休校のため、寺子屋もオンラインで今週は進めました。大人へのオンラインワークショップや授業の経験はあるものの、小学生は初めてです。
こんな時は、友達に頼ろうということで、あおせんにレクチャーしてもらいました。
彼は自分たちの学校で、オンライン授業をたくさん経験しています。頼りになります。
彼からのレクチャーを受けて、オンラインの特徴を掴んだ上で、プログラムを作れば対面と大きく変わらないということに気づきました。
オンラインの特徴とは、反応が分かりにくいこと、身体の動きが少なくなることだと思います。
それらを踏まえて、はじめての寺子屋オンラインを実施しました。
「オンラインも結構面白いね。」とか、「友達のこんなことが知れたよ。」とか、「みんなで集中できた。」とかそんな感想をもってもらえたらいいなって思いながら、授業を考えました。
そんな授業のことを書いておきます。オンラインに取り組む先生や友人の助けに少しでもなればと思います。
まず、参考にした本はこれです。青木将幸さんのアイスブレイク本です。日本を代表するファシリテーターの一人ですね。
この本、永久保存版です。というのはアクティビティだけでなく、インストラクション(説明)が秀逸で、著者のマーキーさんがどんな場を作ろうとしているか息遣いまで分かります。しかも語り口が優しい。大好きです。
ではでは、寺子屋オンラインのはじまりはじまり。
ZOOMを使いました。初めて使う方もいらっしゃったので、事前に接続確認の日を設けて確認しました。パスコードを打ち込まなくても入れるように設定しました。できるだけ作業を少なくすることで、難しいという印象がなくなるはずです。
当日は、無事にみんな入室できました。
入ってくるところから、オンライン授業は始まっていると思います。
「○○さんいらっしゃい!お昼食べた?」とか、一人一人に声をかけます。すると一気に温かい空気になります。ボクも嬉しい気持ちになります。
オンラインだからこそ、会話量を増やしていくことが大事だと思います。
その後は、みんなで挨拶です。せーので声を出すと面白いです。日本語だけでなくいろんな言葉でやりました。マイクのオン・オフの練習にもなります。
そして、チェックイン。
「今日のお昼ご飯は?」「今の気持ちは?」というお題でお喋りしました。うなずいたり、リアクションとったり、質問したりする子どもの姿を褒めて価値づけしました。
「うなずいてくれるっていいね。嬉しいよね。大切にしていこうね。」
大切なことは、子ども達の姿から語ることです。
そして、宝物紹介をしました。自分の家にある宝物を探してきて、見せ合いっこです。ゲームの子もいれば、ぬいぐるみの子もいます。一気に場が和らぎます。
家でオンラインをしているので、友達の家に遊びに行った感じになりますね。
次に○✖️クイズです。リアクションの練習にもなりますし、クイズは子ども達大好きです。動物クイズをしました。ネットにたくさんネタが転がっています!
クイズの次は、お絵かきです。テーマはボクの顔。二分間で書いてもらいました。ふざける子がいるので、「絶対変に書いてるんでしょう。嫌な予感するなぁ」とか言って盛り上げました。そうすることで、絵が苦手な子もハードル低く取り組むことができます。
せーのでみんなで見せ合い、たくさん笑いました。
ここまでがアイスブレイクです。めっちゃ長い気がしますか?
ボクはアイスブレイクをたっぷりすることをお勧めします。理由は、オンラインにポジティブな気持ちがもてるし、オンラインでも子ども同士の関係性を深めることができるからです。
子どもは心地のいい関係性の中で育ちます。オンラインだからといって、一方的なやりとりになってしまうと学びに勢いが出ないとボクは考えます。何より楽しくなくなってしまう。楽しいがあるから、頑張れます。
だから、最初のアイスブレイクめちゃくちゃ大事です。少々、時間かかってもいいです。
ここからは、勉強の時間です。オンラインの難しさは、子どもの手元が見えないことです。だからいつものようにはいきません。少し工夫をしました。
漢字ドリルから、自分が間違いやすい漢字や、書いてみたい漢字を一つ選びます。それを1分間で、できるだけ多く書くように伝えました。
子ども達は目的がはっきりしているので、一気に書き始めます。
「鉛筆から煙が出そうだね。」「○○さんの集中した顔が素晴らしいね。」とか、子どもの姿を観察し、言葉をかけます。
ここが肝です。オンラインでも、みんながつながっている、先生は見てくれていると感じられるからです。
それを何回か繰り返し、集中して学ぶことを体験します。もちろん、漢字をたくさん書くことの学習効果もあります。
そこから20分、自立学習の時間です。いつも寺子屋でしているので、子ども達は勝手が分かっていますね。とはいえ、オンラインだと手元が見えないので、学習を把握するのが難しいです。
そこで、最初に何をするかを一人ずつ話してもらいました。そうすることで、こちらもイメージをもてます。
さっきの漢字学習の集中力を持続して取り組めていました。とはいえ、学習のフォローをどのようにするかは検討が必要です。
もちろん、全員が同じプリントをするとかにすると、答え合わせも一緒にできるし良さそうに見えますが、それだと一人一人に必要なことができなくなりますし、異年齢の集団だとできることが限られます。
むしろ、学びの個別最適化が文科省からも通達されているように、それぞれの学習を進めるのが学力をあげる近道です。
解決策としては、デジタル教材の使用が考えられると思いました。
NPO法人eboardの教材は無料で使えますし、とても良問です。ボクも問題制作に関わらせてもらいました。次回はこれを使おうと思います。
勉強のあとは、休憩をいれます。
「おやつ持ってきてみんなで食べよう。」
これはみんな嬉しいですし、何より笑顔になります。ワイワイと盛り上がります。
オンラインでは運動不足になりがちなので、その場で走ってもらって、蛇と言われたらジャンプ、木と言われたらしゃがむなどをしました。
これもっと開発の余地があって、ボクの画面をジャングルみたいにしたり、ジャングルの動画にしたりしてもよいかもしれませんね。
その後は、借り物競争をしました。家の中からお題にあったものを探してくる遊びです。
「丸いもの!」
一斉に探しにいきます。こうやって動きをつけてあげることで、身体もリラックスできます。
最後は、今日の感想を言って写真撮影で終わりです。
盛りだくさんの活動でしたが、同じ活動が長くなるとオンラインだと集中が途切れがちになります。テンポよく活動を進めるのが良いのではないかと思いました。