寺子屋 大仙寺の日々是好日

三重県伊賀にあるお寺。大仙寺の寺子屋ブログです。探究型の寺子屋です。HP → https://www.iga-daisenji.org/

ラッパー古渓光大さんと「大人の背中」

12月23日(水)に「大人の背中 vol.3」をしました。「大人の背中」は、寺子屋に参加している中学生が、こだわりをもって生きている大人の方と出会うという学びです。

 

みんなが思っている以上に、世界は広いこと。そんなことを感じてもらえたら嬉しいなって思います。

 

今回はラッパーであり、僧侶であり、サラリーマンの古渓光大(ふるたにこうだい)さんにゲストで来ていただきました。

 

ボクより一回り年下の彼ですが、ボクが尊敬する人です。彼については、彼岸寺というwebサイトへの連載で書いています。

higan.net

一流企業のサラリーマンでありながら、今月で退職し、新しい道を切り開いていく光大さん。その生き方や決断にはどんな出会いや揺らぎがあったのか、そんなことを話してくれました。

 

まずは、みんなで自己紹介。結構派手目な光大君のシャツに興味津々。最初は、光大君の話。自分がいつも人と比べて生きてきたこと、それに勝つことが目標になっていたこと。でも、比べることを手放し、自分をもっと大切にしてあげたい、自分がチャレンジしたいことに取り組んでいきたい。そんなことを熱く語ってくれました。

 

「みんなだっていろんなことあるけど、みんなが今ここにいる、それだけで最高なんだよ。」

 

そんな言葉は、中学生への優しいエールになったことでしょう。

その後はいよいよラップです。今回は彼のラッパーとしての活動に注目したかったんです。めちゃかっこいい!自分の内面の葛藤を言葉にしていくのが彼のラップ。みんなで彼のPVを見ました。

youtu.be

「かっこいい!」素直にそんな言葉もありました。等身大で生きようとする姿。いいなぁ。

 

次は、子ども達が選んだ言葉で即興でラップを披露してもらいました。最初のお題は「2020年というと?」コロナやマスクなどの今年らしいワードも光大君にかかると、メッセージ性のあるかっこいいラップになります。

 

2回目のお題は、みんなに任せました。みんなが選んだのは、自分たちが好きな◯◯。蛍光ピンク、ギターなどなんだかいろんな言葉が乱立しましたが、かっこいいラップになりました。

 

「人と比べているのが自分と同じだと思った。」そんな感想もみんなからありました。世界は広い。そんなことを感じられる時間になったと思います。

 

光大くん、ありがとう。こうやって、寺子屋での自分探し、自分磨きの日々は続いていきます。ボクもみんなと同じように、自分探しをし、自分を磨いている最中です。切磋琢磨しながら、成長していきたいと思います。

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寺中有希さんと大人の背中

12月16日(水)に「大人の背中 vol.2」をしました。「大人の背中」は、寺子屋に参加している中学生が、こだわりをもって生きている大人の方と出会うという学びです。

 

みんなが思っている以上に、世界は広いこと。そんなことを感じてもらえたら嬉しいなって思います。

 

今回は、プロジェクトアドベンチャージャパンの寺中有希さんにオンラインで参加していただきました。寺中有希さんは、会社の仕事とは別に、まんぷく食堂というアート活動もされています。

mampuku-shokudo.amebaownd.com

ボク自身も、プロジェクトアドベンチャージャパンのワークショップで有希さんと出会いました。その縁で、居ドコロ新聞を書いてもらいました。これは、有希さんと対話しながら、ボクの内面を有希さんが言葉とイラストで描いていくというものです。寺子屋を始める前に描いていただいたことで、何を大切にしていくかが見えてきました。

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その他にも、お寺のイラストも描いていただいたりしています。

iga-daisenji.hatenablog.com

ボクは何より、彼女の世界観がとても好きで、なんだかほっこりします。有希さんのイラストも大好きです。あるがままを生きようとする有希さんの魅力に触れてほしいと思い、ゲストに来ていただきました。

 

子どもたちは事前にイラストを見ていたので、イラストレーターの方が来ることにワクワクしていました。初めてのオンラインでのワークショップ、緊張しながらも楽しみにしていることが伝わります。

 

まずは、しるらないカードを使って自己紹介をしました。今の自分の感じに合うイラストを選んで喋ります。このしるらないカードは、有希さんがイラストを担当したカードです。カードがあることで、自分を表現しやすくなります。ボクも学校で愛用していました。

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これかなぁ、あれかなぁと探りながらも、自分の感性で選び、言葉にしていく自己紹介はすっと心と心の距離が縮まったような気がしました。何より有希さんのファシリテートが柔らかい。

 

それから、有希さんのお仕事や大切にしていることをパワーポイントを使って紹介していただきました。このために準備していただいたことにも感謝です。子ども達の聞く姿も真剣です。

 

その後は子ども達の質問タイムがありました。「東京のどこに住んでるんですか?」みんな気になるよね。ボクも中学の頃は、関東にとても憧れていました。

 

最後に、ライブドローイング。子ども達と有希さんが対話しながら、その場でイラストを即興で描いていただきました。これには子ども達は感動。

 

自分が大事にしている言葉に合ったイラストを選び、対話していきました。ある子は、一度選んだカードがしっくりこず、さっと変えていました。これは、自分にこだわりをもっている姿そのものだと思います。素敵です。出来上がったイラストがこれです。

 

自分の内面に向き合うには時間や場が必要です。有希さんとの時間はまさにそんな時間でした。家に帰ってからも、このワークショップがとても楽しかったと家族に話している子もいたようです。

 

ちなみにボクが選んだ言葉は宝。自分らしい宝をたくさん見つけて、育ってほしい。そんな願いを込めました。

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お寺で遊ぼうvol.3 〜おてらにねむる おたからを さがそう〜

お寺で遊ぼう第三回目をやりました。今回は、娘の園のお友達家族2組が参加してくれました。うちの娘は楽しみすぎて、寝れないと昨夜は遅くまで起きていました。

 

まずは、いつものように対話型の読み聞かせから。ツペラツペラさんのこれ。帽子を取ったらツルピカのとこってだいたい、予想が当たります。

ぼうし とったら (PETIT POOKA) 0~3歳児向け 絵本

ぼうし とったら (PETIT POOKA) 0~3歳児向け 絵本

  • 作者:tupera tupera
  • 発売日: 2012/07/03
  • メディア: 単行本
 

 次を予想しながら絵本を読むと、ぐっと絵本の世界が近づいてきます。本を読むときのベースになる力を育てていくには、とても良いなぁといつも思います。

 

その後は、境内で宝探しです。みんなで30個を探すというルールです。見つかったら遊びのチケットがもらえます。小さい子達なので、ゆるやかに協同して達成できることを考えてみました。最後の一個が見つかってホッとしている姿も楽しかったです。宝を探すって楽しい。今度は大人でもやってみたいなぁと思います。

 

それから、遊びのチケットをもらってヨーヨーすくいをしました。水が低くて取りにくかったです。朝、水めっちゃいれたのになぁ。あとで見てみると、栓が抜けていましたwww取るのは、なかなか難しかったけど、みんなすぐにうまくなりました。このヨーヨーはご近所さんにもらいました。

 

最後は、おうちの中を探検しました。子ども達はリカちゃんとかで自由に遊んでいました。お母さん達はお母さん達で楽しくお喋り。いい時間です。妻も楽しそうで何よりです。自由遊びの子ども達を見ていると、いろんな発見があります。「こっちの靴の方が可愛いよ。」遊びを通して、子どもがつながるっていいなぁ。こうやって、没頭して遊べるって、子どもってほんとすごい。うちの娘も、一緒に遊んでくれる友達がいるからこそ、成長しているんだなぁと感じる時間でした。みんな大切な存在です。

 

月一回のお寺で遊ぼうですが、人と人がつながる場所があることは、自分たちも元気をもらえます。参加してくださった方、ありがとうございました。次回は、1/17(日)です。

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生きることが楽しいにつながることを目指す。

子どもが生き生きすると、それを見ている親も嬉しくなります。ボクも同じです。幼稚園が馴染めなかった娘が、友達の話を楽しそうにしているそれだけで、嬉しくなります。

 

「放課後、楽しみに行っている姿を見るのが嬉しい」という保護者からのメッセージは、ほんと嬉しかったです。

 

楽しい、好きというのは全ての基本です。だって、それは生きることが楽しいにつながるから。生きることが楽しいという経験があることは、ずっと人生を下支えしていくから。

 

いつか、寺子屋から子どもたちは卒業していくでしょう。その時に、何か楽しい記憶や学びの記憶が残ること。そんなことがあれば、幸せだなと思います。

肝試しプロジェクト終了

月曜チームも金曜チームも、肝試しをしました。18時というと、あたりは真っ暗です。お墓も真っ暗です。お化け役の子どもも、怖がってしまうという結果でした。

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「めっちゃ怖いから、一緒にいよよー。」素直に気持ちを言葉にする子がいます。

 

怖いから一人でいられなくなります。自然と、人との関わりが生まれます。一緒に支え合ったという共通体験が生まれます。楽しいことや、挑戦したいことって、つい分かち合いたくなるんですよね。こうやって、人と人の関係は深まっていく。そう感じるのです。当日までできるか不安だった子も、一緒にする仲間に支えられ、楽しんでいる姿もステキでした。

 

お客さんで来てくださった保護者の方が、こんなメッセージを送ってくれました。

 

「子ども達がやさしくて、とてもいい雰囲気でした。」

 

優しい雰囲気は、子ども達、みんなが作ってきたものだと思います。「仲良くしようねと」と言わなくても、いつの間にか一緒に遊んでいます。遊びの中で、喧嘩が起きることもあります。でも、その姿を見た4年生の男の子が、さっと場を和ませて、気持ちを切り替えようとする姿もありました。

 

子ども達は、自分たちが過ごしやすい環境を作っていく力がある。そんなことを感じました。子どもが自分らしく生き生きできていると、子どもの良さが発揮できるのだと思います。「怖かったけど、楽しかったわー。今日はトイレ行くの怖いなぁ。」そんなことを言える子を見て、ほのぼのします。毎週、みんなと会うことが楽しみです。

大仙寺のイラストができました。

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まんぷく食堂の寺中有希さんに、うちのお寺のイラストを描いていただきました。

mampuku-shokudo.amebaownd.com

どんな自分であっても、大仙寺ではそのままでいれるような、そんな場所を目指しています。

寺子屋もそうですし、両親がしているお話会や、日頃のお寺を舞台にした人のつながり。それら全てが、命を輝かせてくれます。

 

そんな想いを込めて。

 

大事なことは見えにくい

寺子屋や学校で、子ども達と過ごしていると、その子の思いやペースを大事にしようと寄り添えます。でも、自分の子になると、途端に不安になります。

 

この前、運動会がありました。年中のうちの娘は、最初から最後まで、誰とも話さず、ダンスも全く動きませんでした。日頃から、幼稚園の話もあまりしませんし、行きたくないということも何度もありました。

 

その度に、不安になりました。このまま、馴染めなかったらどうしようとか。いろんなことを心配してしまいます。自分の子となると、途端に冷静にいられなくなるのです。

 

そんな中、妻は娘を丸ごと受け止めています。そんなもんやんかーって。踊らない娘を面白がっています。幼稚園の先生が、あまりお友達と話しませんと教えてくれても、そんなもんやんかーで終わります。ボクはそんな妻にイライラすることもありました。

 

でも、立ち止まってみると、娘を自分の枠に当てはめて考えていたのはボクだったのです。自分の枠に当てはまらない娘のことを、勝手に不安になっていました。そのままの、娘を受け取ろう。ようやくそう思えるようになってきました。

 

ついつい、ボクは心配からか、先回りしてしまったり、干渉しすぎたりしてしまいます。でも、それはボクの不安の表れだなと思いました。教師としての自分は、決してそんなことはしません。いつも、子どもを待とうとできるし、そういう教育のあり方を大事にしています。でも、親となると途端に難しい。

 

これからも、先回りしてしまったり、干渉しすぎたりしちゃうと思います。でも、このタイミングで大事なことに気づけた気がするのです。

 

ボクができることは少なくて、それは機嫌良くいることなんだと思います。

 

完璧な親にはなれないし、感情的にだってなるけど、そんな自分にも花丸しようと思います。一人じゃない、みんなで子どもをみていけばいい。そう思っているんです。ついつい、ボクたちは、子どもの目に見える行動に目が行きます。でも、そこに隠された子どもの思いこそ大事なんだということ。そんなことを、寺子屋や子育てを通して学ばさせていただいているなぁと思うのです。

 

学校の先生にもお願いです。どうか、子どもの行動だけでなく、その裏の思いを大事にしてあげてほしいのです。

子どもを信じること

子どもを信じること

  • 作者:田中 茂樹
  • 発売日: 2019/04/10
  • メディア: 単行本