「楽しかったよ。」はじめて寺子屋に参加してくれた子が言ってくれた言葉です。素直に嬉しいです。それは、寺子屋という場は、ここにいる子ども達が作っているから、みんなを大切に感じてくれた証だと思うからです。
精神科医の田中茂樹さんが『子どもを信じること』にこんなことを書いています。(ちなみに、この本はめっちゃおすすめです。)
まず好きになること。新しい友だちと出会うこと、知らないところに行くこと、食事をすること、お風呂に入ること、そんなこと全てを、まず好きになるという目標で子どもを育てる。このことだけを目標にするだけでも良いと思います。「まず好きになる」という育児の目標は、「生きることを好きになる」ということにつながります。生きることを好きになることができれば、子どもが大人になってからも、本人の命を守る支えとなるでしょう。
「楽しかったよ。」という言葉は、だからとても嬉しいのです。それも、みんなでそういう場を作れていることが嬉しいです。
今は、「オリジナル競技で寺リンピック」というプロジェクトに入っています。いくつかのチームに分かれ、企画しています。今週は、チーム作り、お互いのことを知り合い、話し合う良さを感じるような活動をしました。
「一緒にやろうよ。」「ルールわからないんだね。説明してあげるね。」子ども達の会話に耳を傾けると、相手を受け入れようということが分かります。最初はドキドキして表情が良くなかった低学年の子が、いつの間にか笑っています。一人一人の力、よりよく育とうとする力は感動します。育つのは子ども。この子達と関われたこと、本当に幸せです。
ふとした時に立ち止まり、この田中茂樹さんの一節を、いつも思い出します。すぐ忘れちゃいがちになるからです。言うは易し、行うは難しだと日々反省します。
「寺子屋は今を楽しむ場所。そして、幸せになるために学ぶ場所だよ。」そう伝えながら、実感できる体験を作って行けたら最高です。