寺子屋 大仙寺の日々是好日

三重県伊賀にあるお寺。大仙寺の寺子屋ブログです。探究型の寺子屋です。HP → https://www.iga-daisenji.org/

ボクが教育者として大切にしていること

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冒険教育を推進するプロジェクトアドベンチャージャパンの寺中 有希さんに描いていただいた、居ドコロ新聞が届きました。

www.pajapan.com

Yukiさんに、1時間、いろいろインタビューをしてもらい、それをもとにYukiさんが新聞にするというもの。もう、すげーよかった。

良質な自己理解の時間だけでなく、こうやってかわいい新聞になると嬉しい。言葉だけでなく絵というのがほんと好き。


言葉だけじゃ漏れることいっぱいあるから。そうか、ボクはスキナコトを一生懸命している姿が好きなんだな。

 

Yukiさんは、旦那さんと共に、『まんぷく食堂』という「私自身の表現に触れる」道具や遊びと学びの場を創る活動をされています。

mampuku-shokudo.amebaownd.com

もう、これからがスーパー楽しみです。お寺ともつながって行けたらうれしいな!!!

いけてる大人と子どもどんどんつなげていきます。大人の背中で子どもは育つ!

 

Yukiさん、まんぷく食堂さんありがとうございました!

#居ドコロ新聞 #まんぷく食堂

お寺であそぼう 寺リンピック開催しました!

寺リンピックを開催しました。

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2歳の子から小学校6年生まで、10人の子ども達と楽しく過ごしました。終わった今の気持ちは、清々しく、とてもうれしい気持ちです。それは、やっぱり子ども達が、目一杯楽しんでいる姿があったからです。楽しいがあるから、心は軽やかになるし、つながりも生まれます。

 

短い時間だったけど、子ども達、一人ひとりの良さがどんどん伝わってきて、一人感動していました。そして、成長もしっかり見られました。

 

最初は、緊張して正座していた子ども達も、いつの間にか、お寺を新しい遊び場にしていました。初めて会った友達と関わっている姿もありました。

 

緊張から始まった時間も、自分たちの力で、温かく楽しい時間に変えていける。子どもって力があるなぁと思います。

 

今回のプログラムはこちら

 

1、朝のサークル

2、寺リンピック

3、終わりの会

4、かき氷づくり

 

朝のサークルは、自己紹介、アイスブレイク、読み聞かせです。

意識したのは、思わず笑ってしまうこと、自然と人とつながることです。最初の時間、大切。

サークルになって座るのは場を温めます。みんなの顔が一人一人見えるし、なんだかホッコリする。

 

アイスブレイクは、キャッチとじゃんけんチャンピオン

 

キャッチでは、「見つめて見つめて、キャッツアイ!」という謎のかけ声も生まれました。キャッチは、心理的なハードルも低く、笑いも生まれるスーパーなアイスブレイクです。大好きです。じゃんけんチャンピオンでは、自然と小さい子も大きな子も混ざっていて、素敵でした。

 

対話型読み聞かせは、大好きな絵本「こんもり君」にしました。思わず笑っちゃう。一緒に笑うって大事!「次どうなる?」と想像しながら読むと、物語の世界に入っていきます。

こんもりくん

こんもりくん

 

 少し心があたたまったところで、寺リンピックスタート!!

 

・宝探し

・かくれんぼ

・わなげ競争

 

宝探しは、境内に隠された50個の宝を3分間で全員で見つけ切るというものです。

子ども達、すごい・・・見つける能力すごいな。なんとかみんなで見つけきりました。51個だったのは、ご愛敬

 

かくれんぼは、僕対みんなです。僕が3分で見つけ切ったら僕の勝ち。正直いうと、そんなに隠れれないと思っていました・・・

結果は、惨敗。うますぎる。隠れるのうまいなーー。

 

わなげ競争は、走っていってわなげをするというもの。お菓子を的にしてわなげしました!!取ったものは、すぐ食べます。そりゃそうだよね。

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最後は、本堂で合掌礼拝。6年生の子が鐘を鳴らし、4年生の子が合掌礼拝してくれました。

 

かき氷をみんなで作って、自然と解散

 

うちの子ども達は、もっと宝探ししたかったみたいで、そのあと、1時間宝探ししていましたwww

 

「楽しかったーー」の声。すごくうれしいです。楽しいと心が柔らかくなり、人と人のつながりが生まれます。こうやって集まってくれたみんなに、感謝です。

 

次は、いよいよ学びの寺子屋のスタートです。しっかり準備をして、学ぶことにワクワクできる場を作るぞー。

 

 

 

 

 

 

書くことの学習支援

「書くことの学習指導は、よい作品を生み出すためにするのではなくて、書き手の育ちを助けるためにするのである。」

歳の離れた友人でもある千葉大学名誉教授の首藤 久義さんの著作『書くことの学習指導』の一節。

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ボクは首藤さんと出会う前に、「作家の時間」という学び方にであっていた。本を作るという活動だ。ボクの国語の書く授業は、作家の時間が中心だった。そこでも、中心に置いたのは、書くことに夢中になる姿だ。

 

当然、子どもの学習経験や個人の差はあるもの。それを無理に揃えるのではなく、一人一人に合わせて、目標を共に設定し、自ら学ぶことに徹底的にこだわってきた。

 

本作りにしたって、出来栄えは当然違う。教師がテコ入れしたり、同じような文章を書かせるようなワークシートなどで誘導すれば、同じようなものができるかもしれない。しかし、そこには子どもの達成感や、創造性などといったものが失われてしまう。

 

これは、好きなようにさせるということでは決してない。一人一人が少し頑張って取り組めるように支援していくのだ。

 

「育つのは子ども」

 

この本を再読しながら、そんなことを思う。

子どもが書いた作品は、どんなものであっても、比べるのではなく、その子の大切な作品として、大切に扱うこと。そんな大人でありたい。

そして、最後に。うれしいことに、首藤先生には寺子屋のアドバイザーを快諾していただきました。また、一緒に実践を考えられるのがうれしいです。

体験しながら学ぶ

体験しなから学ぶ

 

あんなにたくさん覚えたことって、ほんときれいさっぱりなくなります。脳の片隅にあるのだろうか、、、

 

反対に忘れられない一場面だってあります。昔、温厚な友達と海鮮丼を食べていて、トイレの間に彼のボタンエビを食べといてあげたら、めっちゃキレられたこととか、忘れられません。エビには気をつけましょう。

 

子どもも同じです。ということで体積の学習で、1立方メートルをグループで作ったことを書きます。

 

図形って苦手な子が多いです。なぜって、なかなかイメージしにくいからなんです。なので新聞紙で1立法メートルを作ってみました。

 

用意するもの

1m定規   新聞紙大量  テープ

 

結果、、、、大苦戦  笑

 

新聞紙をななめに巻いても90cmぐらいしかならない。子どもは真面目だからなんとか100cmにしようと奮闘します。

 

とはいえ、途中でだいたいでいいねって話で、完成しました。

 

割と根気のいる作業でしたが、なんだか達成感。

 

算数では、何かを作ることを大事にしています。作りながら、意味を理解していく。体験から学んだことは、知識として身になっていきますね。

 

算数楽しく ハンズオン・マス (坪田式算数授業シリーズ)

算数楽しく ハンズオン・マス (坪田式算数授業シリーズ)

 

遊んでいるように学びたいって思います。だから、いいなって思うものはまず取り入れてみます。やってるうちに自分流になっていくって思っています。

 

 

読むことが好きになる教え方

子ども達の学びを豊かにし、考える力をつけるには「読む」こと「書く」ことが大切だなーって思います。それって結構昔から言われていることかもしれません。だからといって、これを読みなさい、これを書きなさいって言われ続けては、好きになることは難しいものです。

 

なぜなら、育つのは子ども自身だからです。自ら学ぶようになっていくことが大事です。「読む」こと「書く」ことが徹底的に好きになっていく学び方があります。

 

 「リーディングワークショップ」「ライティングワークショップ」とよばれる学習方法です。日本では、大正時代から続く「綴り方教育」が近いです。ボクは、この学び方に出会って目から鱗でした。国語の授業が劇的に変わり、子ども達が「書く」「読む」をどんどん好きになっていく姿にびっくりしました。

 

今回は、この「リーディングワークショップ」の読むことについて、実践をもとに考えたいと思います。以下、2年前の5年生での教室のことです。

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さてさて、読書家の時間っていう本が好きになって、面白い読み方ができる学習を始めました。

 

今日は事前に伝えてあったように家や図書室からオススメ本をもってきて紹介し合いました。

 

先生、何冊ももってきていいですか?

先生、いっぱいありすぎて選べません。とか話す子もいれば、

 

あんま読まないから、特にない。

漫画しか読まないよ、なんて子だっています。

 

それがいいんです。だから、一緒に学ぶ意味があります。

 

今日は、ペアをどんどん変えながら、1分ずつ紹介し合いました。

 

たどたどしくても、なんとか伝えようとしています。相手も聞こうとしています。

 

僕はこの本紹介の子どものやりとりがすごくいいなって思いました。

 

その1シーン

 

たくさんもってきたから一冊選んでもらっていい?

 

これにするよ。

 

これね。紹介するね。

 

その本紹介を真剣に聴いてる相手の男の子の姿。ステキやなぁって思います。

 自分が好きなものを相手に受け止めてもらえる経験ってすごい嬉しいから。

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本を紹介したあとは、みんなで好きに読む時間にしました。

 

僕も子どもに借りたのを読みました。

 

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

 

 

 子どもたちを観察していると、ペアで読む子もいれば、一人の子もいれば、本の世界に入れない子もいます。

 

本っていうものがクラスにやってきた、それでまぁ最初は良しです。

 

今日は子どもたちと図書室の本を教室に持ち込んで、図書コーナーを作ろうと思います。

 

読書の授業ですが、本を読んでいる時の悩みや良かったことを読書会議っていう形で毎回授業の最初にやっていきます。クラス会議と同じです。

 

bozusen.hatenadiary.jp

 

学校は、友達の喜びとか悩みとかを真剣に受け止めて、答えていく場所だと思うからです。

 

一時間の流れはこんな感じです。

 

1 読書会議 10分ぐらい

2 読みタイム 30分

3 振り返り 5分

 

明日はどんな読書会議になるのかなぁ。何をみんなで話したいのか、そこからかなぁ。

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これはリーディングワークショップの1時間目の授業です。まずは本に触れることからスタートします。どうやって本を選ぶのかなど、みんなで話し合いながら自分に合った本を選び読んでいくのです。

 

えっそれだけ!!

 

そうなんです。それが基本です。でも、ここにはいくつもの本を読むことに取り組むためのしかけがあります。最も基本的な工夫は、子どもが好きなことや興味があることを、大人が把握していくことが大事です。そして、たくさんの児童書を読んでおくことは必須です。

 

こういう本もあるよって紹介するには基礎知識は不可欠だからです。子どもは自分で選んで読んでいる実感をもちつつ、サポートする大人は一歩先を行くイメージです。

 

その子の読書レベルに最初は合わせることも大切です。子どもがパラパラめくって読めそうと思うものを手に取るといいですね。

 

 

 

 

大人の背中

昔は分からなかったこと。今は身にしみて分かること。

 

そんなことがあります。

 

僕らは生まれてからずっと誰かとのかかわりの中で生きていて、時にはそれが鬱陶しくなったり、時には激しくそれをもとめたり、平穏に過ごしたり、、

 

何かを学ぼうと思って学ぶこともあります。学ぼうって思っていなくても、心が惹かれていくこともあります。その時はこのやろーって思っても、後で納得できることもあります。

 

誰かの背中。

 

いつの間にか、僕らの中にどんどん溜まっています。

ボクの友人は、自分の子どもの前で全力の姿を見せています。だから、子ども達はその熱を感じる。何が大切なことを学んでいる。おとなの背中という本をまた読んでみました。

おとなの背中 (単行本)

おとなの背中 (単行本)

 

 大好きな鷲田清一さんのエッセイ集です。

 

僕は、ちょっとした時に何度も手に取ります。

 

  子どもたちの毎日も、苦しいこともあれば楽しいこともある。その全体を「崩壊」「危機」といったおどろおどろしい言葉で包み込んでしまうこと、そういう声にみながいっしょに乗ることに、わたしには少なからぬ抵抗がある。

  が、他方で、教育についての議論は、話が軽すぎる。「生きる力」とか「体験学習」だとか「食育」だとか、かんたんに言いすぎる。「環境にやさしく」「地球にやさしく」「共感と共生」「ちょボラ」などという、子どもだってすぐにその「偽善」を見抜くような軽いキャッチコピーが、教育の現場に持ち込まれすぎる。

 

今回はここを何度も読み返しました。問われているのは大人の誠実な姿。

生きることは、ずるいことも、さぼることも、がんばることも、逃げることも、助け合うことも、いろんなものを包含している。正しいことばかりを綺麗に言葉で伝えるのではなく、生き様を語り、見せ、一緒の時間を過ごすという誠実な姿が大事なんじゃないかと思う。

 

それは、互いの信頼やつながりを生む。

 

人間関係は技術じゃないということを忘れずに。それを分かった上での技術なんだと思った。

 

もっと自分の生活のこと、最近読んだ本のこと、友達のこと、いろんな話を子ども達にしていいんだと思う。

子どもの一歩先を行く

全てを教えることなんて僕にはできない

 

僕が思っていることです。逆立ちもできないし、側転だってうまくできません。失敗だっていっぱいするし、豆はあまり好きじゃないし、アンパンマンのキャラクターも全部言えません。

 

僕にはできないことがいっぱいあるんです。

 

「先生なのにできないの?」

 

小さい子は聞いてきたりします。

 

「うん。先生にもできないこといっぱいあるよ。どうやってやるか教えてくれる?」

 

「いいよ〜」

 

二年生の子に一輪車の乗り方をわかりやすくレクチャーしてもらったけど、まったく前に進めません・・・おそるべし一輪車

 

自分にできないことは得意な子に教えてもらえばいい。そんなことを伝えたいから、積極的に子どもに聞いています。身近にいる先生が、そういうスタンスを大事にしているのをみせるとそれが広がっていきます。でも、丸投げはいけません。子どもは全て任せられていると感じていても、先生は子どもの一歩先を進んでいくことが大事です。そうすることで、さりげなくサポートできます。

 

教員時代に、図工でクレヨンを重ねて塗りながら絵を書いた時のことです。

 

クレヨンの達人の子がいました。その子に、みんなに技術指導をしてもらいました。そうすると、みんなもその子も生き生きしてくるし、

 

僕には一切アドバイスを求めず、その子に聞くようになりました。僕は相手にされていまでんでした・・・

 

それでいいって思っています。そうすることで、一人一人の得意なことが学級に浸透していきます。子ども達同士の方が、お互いの得意なことをよく知っています。それも、子どもに聞くとよく分かります。得意なことを、子どもにアンケートをとるのも素敵です。そして、その子がみんなの先生になるようにアプローチするのです。

 

 

先生だけが知識や技能をもっていて、子どもがその知識を授かる時代ではもうないでしょう。

 

だから、僕が意識していることは、自分が知っていることは、子どもに質問の形で聞かないということです。

 

例えば、「平清盛がやったことは何?」といった類の質問です。こんなことは自分で調べたらわかりますし、こうやって質問しちゃうと答え探しになります。

 

もっというと、この問いは、相手がそれを知っているかどうかを験すような質問です。

 

鷲田清一さんがこんなことを言っています。

 

問いとは本来、自分の知らないことを相手に聞くことだ。

 

おとなの背中 (単行本)

おとなの背中 (単行本)

 

 

だから、僕もできるだけ自分も知らないことを子どもに問いとして聞きたいです。

例えば、「平清盛が人生の中で大事にしていたことってなんだろうね?」

 

こういう問いだと、僕も一緒に探究できる。そう思っています。

 

大人も子どもも学ぶ、そんな毎日をつくりたいなって思います。めだかの学校ですね。

 

大人ができることってそんなに多くないです。子どもたちに「いいね」って笑顔で伝えること。それだけで子どもは育つって思っています。子どもが安心、安全に過ごせる環境を整える。そんなことに集中しています。

 

日々是好日

 

あなたの中にあるお寺

浄土真宗 高田派 大仙寺

伊賀市上野三之西町3241 

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