「書くことの学習指導は、よい作品を生み出すためにするのではなくて、書き手の育ちを助けるためにするのである。」
歳の離れた友人でもある千葉大学名誉教授の首藤 久義さんの著作『書くことの学習指導』の一節。
ボクは首藤さんと出会う前に、「作家の時間」という学び方にであっていた。本を作るという活動だ。ボクの国語の書く授業は、作家の時間が中心だった。そこでも、中心に置いたのは、書くことに夢中になる姿だ。
当然、子どもの学習経験や個人の差はあるもの。それを無理に揃えるのではなく、一人一人に合わせて、目標を共に設定し、自ら学ぶことに徹底的にこだわってきた。
本作りにしたって、出来栄えは当然違う。教師がテコ入れしたり、同じような文章を書かせるようなワークシートなどで誘導すれば、同じようなものができるかもしれない。しかし、そこには子どもの達成感や、創造性などといったものが失われてしまう。
これは、好きなようにさせるということでは決してない。一人一人が少し頑張って取り組めるように支援していくのだ。
「育つのは子ども」
この本を再読しながら、そんなことを思う。
子どもが書いた作品は、どんなものであっても、比べるのではなく、その子の大切な作品として、大切に扱うこと。そんな大人でありたい。
そして、最後に。うれしいことに、首藤先生には寺子屋のアドバイザーを快諾していただきました。また、一緒に実践を考えられるのがうれしいです。